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ご質問/ご相談内容 aa

CT検査の際、患者さんが動くので押さえていました。その時、患者さんに密着していましたので、私も被ばくしたのだと思います。将来ちゃんと妊娠できるでしょうか。赤ちゃんに問題が出ないでしょうか?


回答/科学的根拠

回答:
将来の妊娠に関しても、赤ちゃんに関しても、一切問題はありません。

詳しい説明:
以下の2つに分けて考えましょう。
1)あなたは、どこにどれくらい被ばくしたか。
2)どこにどれくらい被ばくすれば、将来の妊娠や赤ちゃんに問題が出るのか。

1) CT検査の際に患者の体を押さえてCT装置のすぐそばに居たわけですから、いくらかの被ばくはあります。どれくらいの被ばくでしょうか。
CT装置のガントリ(ドーナツ状のX線照射装置部分)からの距離で、おおよその放射線の強さ(線量率)が分かります。(図参照⇒)
患者と違って、介助者のあなたはガントリからのX線を直接受けることはありません。あなたが受けるのは患者の体に照射されたX線からでる散乱X線で、患者が受けるX線の数百万分の1くらいの極めて弱い放射線です。このくらい弱い放射線の場合、体への害は一切ありません。
ちなみに、CT装置から1mの場所にいた場合のおおよその被ばく線量を見積もってみますと、照射時間(スキャン時間)を30秒とすると、0.00005mGyとなります。 したがって、放射線の強さという観点から、CT検査を受ける患者の介助者がどんなに患者に密着していても、被ばく影響はありません。
(*その他の検査の場合の検査室内の放射線の強さに関しては、参照⇒をご覧下さい。同じく非常に弱い放射線であることがわかります。)

2) では、将来の妊娠や赤ちゃんに問題が出る可能性があるのはどんな場合でしょうか。
まず、不妊症になる可能性が現われるのは、一時的な不妊症は650mGy以上を被ばくしたとき、永久的な不妊症は2500mGy以上を被ばくしたときに限られます。また、被ばくによって妊娠しにくくなるとか、流産しやすくなる等の問題が出ることはありません。したがって、将来の妊娠に関しての問題は一切起こりません。
次に、将来の赤ちゃんに問題があるかどうかというのは、遺伝的影響があるかどうかということです。生殖細胞の遺伝子に問題が起こるかどうかですが、これまでに人間の場合、2000mGy以上を下腹部(生殖腺)に被ばくしない限りいかなる影響もないことが明らかになっています(参照⇒)。
CT検査を受けている患者の場合でも、生殖腺には最大で30〜40mGyの被ばくをしますが、何の問題も起こりません。介助者は0.00005mGy被ばくですから、問題がないのは言うまでもありません。

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参考
「何か心配ですか?医療被ばく」第8章
p206<1.患者以外の被ばく>
  
参考
「何か心配ですか?医療被ばく」第8章
p208<2.いろいろな検査の周囲の被ばく線量>
  
参考
「放射線の影響はあなたしだい」第9章
p165<原爆被爆者の子供たちの調査データ>

「何か心配ですか?医療被ばく」から転載